2009/06/21 [23:27] (Sun)
【オリジナル】詩
“逢えて良かった”
タイムラグ
“また、逢おうね”
ずっと逢えないのだと思っていた
けれど
こんな、簡単に
逢える事を知ってしまった
解ってしまった
ああ止まらない
知ってしまったから、解ってしまったから
止められない
逢いたい
聞きたい
君のすべてを感じたい
見せて
君を
知ってしまった体は、
解ってしまった心は、
水の中であがくように
空の中で沈むように
戻れない
“逢えて良かった”
タイムラグ
“また、逢おうね”
ずっと逢えないのだと思っていた
けれど
こんな、簡単に
逢える事を知ってしまった
解ってしまった
ああ止まらない
知ってしまったから、解ってしまったから
止められない
逢いたい
聞きたい
君のすべてを感じたい
見せて
君を
知ってしまった体は、
解ってしまった心は、
水の中であがくように
空の中で沈むように
戻れない
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2009/04/23 [00:59] (Thu)
【オリジナル】
アンディ(名もなきカフェ)
死神羊、死神牛、死神鹿(夢さんのお子様)
ただのネタ。
「え?ワタシとトーマ様の馴れ初め?んもうっ、野暮なんだ・か・ら♪」(くねっと体を揺らす)
「……誰も聞いてないんですけど」
「あれはワタシが偶々見つけた雑魚をぶっ殺した直後だったわ……」
羊「問答無用かよ……」
「殺したいです」
「あの頃ワタシ荒れててねー。一人称がアタイだったのよー」
「「「(固まる)」」」
「うふふー、若気の至りってやつねっ」
鹿「(想像しちゃって)……気持ち悪い」
「あら失礼しちゃうっ」
「おいコラ死神牛、武器しまえ武器。殺されるぞ」
「や、つい拒絶反応が」
「(聞いてない)トーマ様はとても格好良かったわ!ワタシに手を差し伸べて一緒に来ないかって!」
「貴方の妄想じゃないんですか?」
「(聞いてない)もうそこで一目惚れ!二つ返事でその手を取ったわっ」
牛「何言っても無駄みたいだぞ……」
羊「……だな」
アンディ(名もなきカフェ)
死神羊、死神牛、死神鹿(夢さんのお子様)
ただのネタ。
「え?ワタシとトーマ様の馴れ初め?んもうっ、野暮なんだ・か・ら♪」(くねっと体を揺らす)
「……誰も聞いてないんですけど」
「あれはワタシが偶々見つけた雑魚をぶっ殺した直後だったわ……」
羊「問答無用かよ……」
「殺したいです」
「あの頃ワタシ荒れててねー。一人称がアタイだったのよー」
「「「(固まる)」」」
「うふふー、若気の至りってやつねっ」
鹿「(想像しちゃって)……気持ち悪い」
「あら失礼しちゃうっ」
「おいコラ死神牛、武器しまえ武器。殺されるぞ」
「や、つい拒絶反応が」
「(聞いてない)トーマ様はとても格好良かったわ!ワタシに手を差し伸べて一緒に来ないかって!」
「貴方の妄想じゃないんですか?」
「(聞いてない)もうそこで一目惚れ!二つ返事でその手を取ったわっ」
牛「何言っても無駄みたいだぞ……」
羊「……だな」
2009/02/25 [20:04] (Wed)
【オリジナル】
※夢子さんに送った名もなきカフェイメージ
「いらっしゃい」
笑って迎えるのは白い少女
名もないカフェで様々なものの声を聞く
哀しく微笑む彼女の元に
集い、彼女と語り合うもの達がある
優しく微笑む彼女の元に
集い、助けを求めるもの達がある
星の光、地底の闇
白の輝きに惹かれるは数多の命
これは、一人の少女と
彼女を取り巻くもの達の物語
※夢子さんに送った名もなきカフェイメージ
「いらっしゃい」
笑って迎えるのは白い少女
名もないカフェで様々なものの声を聞く
哀しく微笑む彼女の元に
集い、彼女と語り合うもの達がある
優しく微笑む彼女の元に
集い、助けを求めるもの達がある
星の光、地底の闇
白の輝きに惹かれるは数多の命
これは、一人の少女と
彼女を取り巻くもの達の物語
2008/06/29 [23:39] (Sun)
【オリジナル】オルハル
「ねぇ、もし私が死んだらどう思う?」
「――…ぇ?」
突然のそれに、数瞬思考が停止した。何を訊ねられたのか、理解するのを拒んだかのように。
訊ねた時のまま真直ぐ自分を見上げてくる青の双眸に縫い止められる。
「な、にを……」
冗談だろ?と笑い飛ばしたいところだが――たとえ冗談でも許しがたいが――彼女の雰囲気や表情がそれを許さない。
彼女は本気なのだ。
「私の願いが“死”だっていうのは、オルタナも知ってるでしょう?」
「だけど、だけどハルミ…っ!」
顔がかっと熱くなる。鼓動は急いて、酸素を欲して呼吸が疾走を始めた。
手先足先は熱を持って脈打っているのに、体の芯は氷のように冷えきって、背筋を嫌な汗と氷塊が滑り落ちる。
彼女が死んでしまったら、なんて、そんな事。
「考えるのも嫌だ、そんな事! 考えられる訳がないっ!」
何をこんなに激昂しているのか、自分でも分からない。
ただ、考えたくない。脳が、否、オルタナ自身がそれを拒絶しているから。
彼女を失うのは嫌だ。
だから。
縋るように、引き留めるように、無我夢中でその細い体を掻き抱いた。
言葉にならずに体中を駆け巡る沢山の思いのありったけを、どうか伝わってくれとぶつけた。
彼女に伝わっているだろうか。
ただただ抱き締めた。
逃すまいと。離すまいと。
そうしなければ、今直ぐにでも彼女が消えてしまいそうで。
そんなのは、そんなのは。
「…嫌だ、嫌だよハルミ……」
喉から絞りだした声は予想以上に擦れ震えて弱々しく、内心情けないと自嘲の笑みを零した。
頼むから、頼むから、どうか。
どうか消えてしまわないで、行ってしまわないで。
君が死を望み続けるのなら、僕は生を祈り続けるから。
どうか生きて。
エゴにも似たこの願いを、聞いて欲しい。
自分の願いはそれだけだから。
掻き抱いた彼女の体は、心地好い程に暖かく、先程のやり取りはすべて夢でなかったかと錯覚しそうになる。
ぱた、と耳元で音が弾けた。
はっと現実に引き戻される。
肩口に感じる生温かなものが何なのか気付くと同時に、いつのまにか彼女の両腕が背に回されている事にも気付いた。
「ハル、ミ…?」
ぎゅ、と抱き締められる感覚に、先程までと違う理由で心臓が破裂しそうになる。
眩々と目眩がした。
「……あり、がと」
消え入りそうな彼女の声は僅かに震えていた。
自分はただ、それにゆるゆると首を振った。
「……生きて」
彼女に負けないくらい小さな声で紡いだ言の葉に、自分の持つすべての感情が集約されているように思った。
その一言が、彼女へ何もかも届けてくれるような気がした。
「生きて」
今度はしっかりと、力強く。
届け。
「――……誓う、わ」
ああ、なんて。
生きる決意の美しい事だろうか。
悲しみも苦しみも切なさも痛みも何もかもを昇華させて。
生きる事を、彼女が心から笑ってくれたらいい。
その日は二人、まるで祈るように暫らく抱き合ったままでいた。
+++
夢子さんに送った時のまま。
なので所々変;
「ねぇ、もし私が死んだらどう思う?」
「――…ぇ?」
突然のそれに、数瞬思考が停止した。何を訊ねられたのか、理解するのを拒んだかのように。
訊ねた時のまま真直ぐ自分を見上げてくる青の双眸に縫い止められる。
「な、にを……」
冗談だろ?と笑い飛ばしたいところだが――たとえ冗談でも許しがたいが――彼女の雰囲気や表情がそれを許さない。
彼女は本気なのだ。
「私の願いが“死”だっていうのは、オルタナも知ってるでしょう?」
「だけど、だけどハルミ…っ!」
顔がかっと熱くなる。鼓動は急いて、酸素を欲して呼吸が疾走を始めた。
手先足先は熱を持って脈打っているのに、体の芯は氷のように冷えきって、背筋を嫌な汗と氷塊が滑り落ちる。
彼女が死んでしまったら、なんて、そんな事。
「考えるのも嫌だ、そんな事! 考えられる訳がないっ!」
何をこんなに激昂しているのか、自分でも分からない。
ただ、考えたくない。脳が、否、オルタナ自身がそれを拒絶しているから。
彼女を失うのは嫌だ。
だから。
縋るように、引き留めるように、無我夢中でその細い体を掻き抱いた。
言葉にならずに体中を駆け巡る沢山の思いのありったけを、どうか伝わってくれとぶつけた。
彼女に伝わっているだろうか。
ただただ抱き締めた。
逃すまいと。離すまいと。
そうしなければ、今直ぐにでも彼女が消えてしまいそうで。
そんなのは、そんなのは。
「…嫌だ、嫌だよハルミ……」
喉から絞りだした声は予想以上に擦れ震えて弱々しく、内心情けないと自嘲の笑みを零した。
頼むから、頼むから、どうか。
どうか消えてしまわないで、行ってしまわないで。
君が死を望み続けるのなら、僕は生を祈り続けるから。
どうか生きて。
エゴにも似たこの願いを、聞いて欲しい。
自分の願いはそれだけだから。
掻き抱いた彼女の体は、心地好い程に暖かく、先程のやり取りはすべて夢でなかったかと錯覚しそうになる。
ぱた、と耳元で音が弾けた。
はっと現実に引き戻される。
肩口に感じる生温かなものが何なのか気付くと同時に、いつのまにか彼女の両腕が背に回されている事にも気付いた。
「ハル、ミ…?」
ぎゅ、と抱き締められる感覚に、先程までと違う理由で心臓が破裂しそうになる。
眩々と目眩がした。
「……あり、がと」
消え入りそうな彼女の声は僅かに震えていた。
自分はただ、それにゆるゆると首を振った。
「……生きて」
彼女に負けないくらい小さな声で紡いだ言の葉に、自分の持つすべての感情が集約されているように思った。
その一言が、彼女へ何もかも届けてくれるような気がした。
「生きて」
今度はしっかりと、力強く。
届け。
「――……誓う、わ」
ああ、なんて。
生きる決意の美しい事だろうか。
悲しみも苦しみも切なさも痛みも何もかもを昇華させて。
生きる事を、彼女が心から笑ってくれたらいい。
その日は二人、まるで祈るように暫らく抱き合ったままでいた。
+++
夢子さんに送った時のまま。
なので所々変;
2008/05/07 [17:03] (Wed)
初めてそれを見たのは、多分、物心つく前なんじゃないかと思う。
後で聞いた話だけど、生まれて間もない頃から"何もない空間"を凝視する癖があったらしい。
そして誰もいないのに笑いだしたり、泣きだしたりもしたそうだ。
そして初めて発した言葉は、「ママ」でも「パパ」でもそれに似た言葉でもなく、「じーじ」だったらしい。
当時僕は父母と三人暮し。明らかにおかしい。
それなのに母は「まあ賢い」と喜んだというから強者だ。父も似たり寄ったりな反応だったらしい。
今考えても不思議な両親だ。
そんなこんなで分かるように、僕には"他人には見えないもの"を見る癖、否僕自身の意思とは関係ないのだから、それらが見えてしまう質がある。
それが分かった時の母の反応は、予想を裏切らず「悠ちゃん凄いわ!」だった。
父に至っては「よくやった!」と感激して特上寿司を頼みだす始末に。
おかしいと思うよ流石に。我が両親ながらその精神を疑ってしまう事もしばしば。
とまあそんなこんなで、自分が普通とはちょっとだけ違うという自覚も持って、僕的には普通の子と殆ど変わりなく育ったと思う。
「そう……僕はただ歌が好きな高校生なんだ」
「は?」
素っ頓狂な声が返ってきて、初めて声に出ていた事に気付いた。
声を返すと同時に、鋭い紫苑の瞳で見上げてきたのは、傍らに伏せる銀色の狼。
体長は170センチある僕よりもあって、尻尾を合わせれば2メートルを余裕で越すだろう。
「ただ唄うしか能はないんだよ」
僕の視線の先には、誰もいない。
古ぼけた公園の一角で、風に揺られているブランコを凝視する形になっている。
だが本当は、"いる"。
見えていないだけで、およそ人とはかけ離れたものが。
「――だから我は此処に居る」
「……響音」
狼――響音(ひびね)はのそりと立ち上がって口角を釣り上げた。
銀色の毛並みが、光の具合で虹色に見えるから不思議だ。
響音は一度尾を振ると、何も言わずにこちらを向いた。
――歌え
「……うん」
ブランコの鎖に巻き付くように漂うもの。
黒く曖昧な靄。
昇れ。
迷いを捨て、光を目指せ。
「――…」
風が止んだ。
ブランコも揺れを止め、黒い靄が怯えたように震える。
響音が心地好さそうに目を閉じた。
紡ぐのは旋律。
歌詞も意味もない、その場限りのメロディー。
込めるのは、祈り。
さあ、盲目的な目を開き、真実の瞳で空を見上げて。
降り注ぐ光へ上れ。
黒い靄が一際大きく震える。
そして一瞬にして元々無いに等しい輪郭を失い、別の輪郭を形作った。
「子供、か」
響音がぼそりと呟いたのを合図に歌を止めた。
ブランコの隣で、六歳くらいの男の子が僕を見つめて笑っている。
『…お兄ちゃん、ありがと』
無言のまま微笑み返してあげれば、彼はにっこりと笑って手を振った。
彼は見つけたのだ。
光へ続く道を。
『バイバイ!』
「――気を付けてね……」
少年が光に溶ける。
零れた粒子は迷う事なく空を目指して昇っていった。
+++++++++++
下の続き?
たぶんもう続かないはず。
初めてそれを見たのは、多分、物心つく前なんじゃないかと思う。
後で聞いた話だけど、生まれて間もない頃から"何もない空間"を凝視する癖があったらしい。
そして誰もいないのに笑いだしたり、泣きだしたりもしたそうだ。
そして初めて発した言葉は、「ママ」でも「パパ」でもそれに似た言葉でもなく、「じーじ」だったらしい。
当時僕は父母と三人暮し。明らかにおかしい。
それなのに母は「まあ賢い」と喜んだというから強者だ。父も似たり寄ったりな反応だったらしい。
今考えても不思議な両親だ。
そんなこんなで分かるように、僕には"他人には見えないもの"を見る癖、否僕自身の意思とは関係ないのだから、それらが見えてしまう質がある。
それが分かった時の母の反応は、予想を裏切らず「悠ちゃん凄いわ!」だった。
父に至っては「よくやった!」と感激して特上寿司を頼みだす始末に。
おかしいと思うよ流石に。我が両親ながらその精神を疑ってしまう事もしばしば。
とまあそんなこんなで、自分が普通とはちょっとだけ違うという自覚も持って、僕的には普通の子と殆ど変わりなく育ったと思う。
「そう……僕はただ歌が好きな高校生なんだ」
「は?」
素っ頓狂な声が返ってきて、初めて声に出ていた事に気付いた。
声を返すと同時に、鋭い紫苑の瞳で見上げてきたのは、傍らに伏せる銀色の狼。
体長は170センチある僕よりもあって、尻尾を合わせれば2メートルを余裕で越すだろう。
「ただ唄うしか能はないんだよ」
僕の視線の先には、誰もいない。
古ぼけた公園の一角で、風に揺られているブランコを凝視する形になっている。
だが本当は、"いる"。
見えていないだけで、およそ人とはかけ離れたものが。
「――だから我は此処に居る」
「……響音」
狼――響音(ひびね)はのそりと立ち上がって口角を釣り上げた。
銀色の毛並みが、光の具合で虹色に見えるから不思議だ。
響音は一度尾を振ると、何も言わずにこちらを向いた。
――歌え
「……うん」
ブランコの鎖に巻き付くように漂うもの。
黒く曖昧な靄。
昇れ。
迷いを捨て、光を目指せ。
「――…」
風が止んだ。
ブランコも揺れを止め、黒い靄が怯えたように震える。
響音が心地好さそうに目を閉じた。
紡ぐのは旋律。
歌詞も意味もない、その場限りのメロディー。
込めるのは、祈り。
さあ、盲目的な目を開き、真実の瞳で空を見上げて。
降り注ぐ光へ上れ。
黒い靄が一際大きく震える。
そして一瞬にして元々無いに等しい輪郭を失い、別の輪郭を形作った。
「子供、か」
響音がぼそりと呟いたのを合図に歌を止めた。
ブランコの隣で、六歳くらいの男の子が僕を見つめて笑っている。
『…お兄ちゃん、ありがと』
無言のまま微笑み返してあげれば、彼はにっこりと笑って手を振った。
彼は見つけたのだ。
光へ続く道を。
『バイバイ!』
「――気を付けてね……」
少年が光に溶ける。
零れた粒子は迷う事なく空を目指して昇っていった。
+++++++++++
下の続き?
たぶんもう続かないはず。