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少年陰陽師、オリジナル、偶にその他版権のネタ置き場
  2024/04/27 [21:10] (Sat)
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  2012/02/13 [00:00] (Mon)
プロローグ的な何か。の途中経過。中途半端ですorz

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  2010/05/06 [16:37] (Thu)


だらだら書いてたけれど途中で詰んだ希日のお話。
季節は冬。
中途半端。



  2010/01/03 [03:53] (Sun)
【その他版権】 pop'n music
(ディオ、MZD)


「何で、人は争うんだろうか」

 呟いた己を、MZDは苦笑して見つめるだけだった。
 眼下では、人々が争い傷付け合い、幾多の命が散っていく。
 中には、巻き添えになって死んでいく民間人の命もあって。
 神に祈って死んでいく者、未練を叫んで死んでいく者、自らの死を自覚しないまま死んでいく者──。
 叫びが、魂が、ディオの頭に直接響いてくる。
 ガンガンと響いて、思わず目を閉じて耳をふさぐ。同じものを聞いている筈のMZDは平然と地上を見下ろしているらしかった。
 微かに開けた目で盗み見れば、言葉に表せない複雑な表情を彼は浮かべている。
 こちらに気付いたMZDは何かに気付いたような表情を浮かべた後、すっと軽く手をディオにかざした。
 ふわりと軽くなる体。頭の中から声が消える。
 礼を言えば気にするなと返された。そうして、彼はまた遙か下に広がる地上を眺める。
 争いの火が燃えていた。

「本当は、助けたいんだろ」
「どうでもいいって言ったら嘘になるな」
「干渉しないのが創世神の掟?」
「ああ。……もどかしい時もあるけれど、仕方がないんだ。世界そのものであり創世神たる俺が歴史を変えたらいけないから」
「でも俺の時は」
「お前はたった一つの例外だよ。それでも変えてしまった事に変わりはないから、こうして面倒みてるんだろ?」

 そう言って笑ったMZDは笑っているのに泣いているような、不思議な顔で世界を見下ろしていた。
 彼が愛する世界、人々、この世界に属する全ての存在。
 愛しているからこそ、MZDは彼らに手を伸ばせない。伸ばされた手を掴めない。
 唯一の例外だというけれど、もしかしたら自分が助かった事はどこかで決められていた事なのかもしれない。

「哀しいな、神ってのは」
「おいおいお前もだろ?」
「俺は”生み出された側”だからな」
「なるほど」

 MZDは頷くと苦笑を浮かべて目を閉じた。
 眼下ではそんな世界<MZD>の思いも知らず、人間達が命を散らしていく。
 悲しい光、哀しい焔、無念のままに死んでいく者達の命の音が、淡い輝きと共に消えていく。
 かなしいと心が訴える。
 ディオはMZDではない、だからこそ、彼の様に淡々と命を見つめる事が出来ない。
 目を閉じたまま、微かな戦慄を彼の唇が紡ぎ始める。
 音に共鳴するように命の音が響き出した。

「……レクイエム、か」

 かなしい程に、奇麗な旋律。
 だがそれは、人間達には聞こえない幻の星のうた。
 こんなにも響いて、美しく、儚く、存在しているのに。
 切ない。
 涙の代わりに溢れるのは、彼の旋律に沿うように紡ぐメロディ。
 重なって、離れて、溶け合って、広がってひろがって。
 手を伸ばしてはいけないなら、せめて歌を、心を贈ろう。
 その魂を鎮める為に、悼む者達を癒す為に、失われた命を惜しむ為に。


 二人の神が紡ぐうたは、争いに決着がついた後も、惜しむように続いていたという。
 その音を聴く事が出来たのは、音に還る魂と、其処に在る星<セカイ>だけだった。




+++++++
【配布元:Abandon】
ポップンの神様に10のお題より「手を伸ばしてはいけない掟。」



  2010/01/03 [03:09] (Sun)
【その他版権】 pop'n music
(スマイル、ミミ、ニャミ、ディオ、MZD)


「おー、スマイルにミミニャミ、何やってんだ?」
「あ、ディオ」
「お邪魔してるよー」
「スマイルがこれ持って来てくれてさー」

 三人で囲んで見ていたらしき書物を持ってミミが駆け寄ってくる。
 後を追ってニャミとスマイルも歩み寄ってきた。見せられたのは、少々古ぼけた分厚い本。
 タイトルは「Gods of world」──世界の神々。

「あー人間界の本か。神の本だって?」
「ユーリの書庫から無断で借りてきたんだ」
「……それって盗んで来たって言わねえか?」
「返すんだから借りてきたで合ってるんだよ」

 屁理屈染みた自論を返してスマイルはミミから本を受け取って表紙を開く。
 暫くは様々な神々の姿が描かれていて、その後にびっしりと文字の書かれた目次があった。
 精霊に分類されそうな小さな神から、果ては創世神まで書いてあるようだ。
 何だってこんな本を三人でと思っていると、ニャミがあのねと顔をあげる。

「MZDの事は書いてないかなーって」
「どうもないっぽいんだよね」
「ヒッヒッ、神らしくなくて省かれたのかもね」
「そうかなあ……」

 ディオは腕を伸ばして、試しに創世神について書かれているらしい最後の見出しを捲った。
 神の名前はなく、ただ「創世神」と書かれているだけである。
 ね? とニャミが訊ねてくるが、少し待てと制止した。
 ディオは文章を読み進める。口承でのみ伝わっていたものを纏めたものであるとの前置きが書かれていた。

『彼は初め、一人だった。
 何もない暗闇に、気付いた時には既に在った。
 在るだけだった彼はある時、己の紡ぐ音が光を生み出すのだと知った。
 闇に生まれた光は辺りを照らし、やがて空間は音で満ち溢れた。
 彼はそれをとても愛した。

「これで、世界を作りたい」

 光と闇、そして彼自身と彼が紡ぐ旋律。それらを合わせて彼はまず宇宙を創った。
 そこからはひたすら歌い続け、今の世界の元を創りあげたという。』

 まんまMZDじゃん、と言いかけて押し留めた。
 此処に創世神とだけ書かれているという事は何かしらそれなりの理由があるように思われて。
 その理由を、ディオは意外な形で知る事になる。
 まだ残っているページをニャミがめくろうとした時、部屋のドアが開けられる音がして皆の意識がそちらを向いた。
 どうやらある程度仕事にキリが付いたらしく、ラフな格好のMZDがそこにいた。

「よう、お前ら。何見てんだ?」
「MZD!」
「えっとね、これ神様が書いてある本なんだけど」
「神が見当たらなくて」
「君はどの神様?」
「どれでもないよ。俺は俺だ」
「うわー、MZDらしい回答。なあ、仕事終わったのか?」
「いや、まだだ」

 MZDはディオ達の輪に加わらず、部屋の隅に置いてある小さな冷蔵庫に向かう。
 成程、飲み物を取りに来たのか。
 水のペットボトルを取り出したMZDは、一口二口と飲みながらディオ達の方へ来る。
 ぬっと覗き込んで、意味深な笑みを浮かべた。

「な、何だよMZD」
「いや。お前はあったか? ディオ」
「俺はないよ。元々は地球の神じゃないし、俺」
「そっかー、ディオって他の星の神なんだっけ」
「あまりに馴染み過ぎて忘れてたよー」
「というか僕は君が神だって事自体忘れてた」
「ひっで!」

 あっはっは!と笑いながらMZDは部屋から出ていく。
 結局意味深な笑みの理由は分からなかった。
 そして神の乱入で捲り損ねたページを捲り、ニャミが声を上げる。

「あれ、最後著者コメントが書いてある」
「え、ニャミちゃんどこ?」
「次のページ。ほら、ここ」
「ヒッヒッ、どうやら協力者がいたみたいだねぇ」

 協力者? と皆が首をかしげてそのページを見る。著者のコメントの下部の方。
 全体的に次の者の力を借りた、彼の知識の豊富さには脱帽である。と書かれていた。
 そんなに神やら何やらに詳しい物好きがいたのかと見て、本を見ていた皆で固まった。

『全面協力:MZD(通りすがりの青年)』

 そりゃあ、名前が記されてないわけだよな。
 まさか創世神自身が手伝ってくれてるなんて、著者も夢にも思わなかっただろうよ。
 とは、後日呆れた表情でディオが語った事である。
 因みに、結局無断拝借がばれて、スマイルはユーリからきついお叱りを受けたとか受けないとか。



+++++++
【配布元:Abandon】
ポップンの神様に10のお題より「貴方はどの神様?」



  2009/05/10 [23:13] (Sun)
【その他版権】pop'n


・簡単なキャラ設定。
名前→ディオ(Dio)
性別→男
年→不明
外見年齢→十代後半~二十歳前後
一人称→オレ
感受性が高く、絶対音感持ち。
神邸に居候中orアパートで一人暮らし。
元々は創世のときから存在していた小さな神の一人。
ポップンワールドの神だからという理由だけでなく心から音楽を愛している。




・設定的な小話

気に入った小さな村を守護しながら村人たちと仲良く暮らしていた。
しかし、音楽好きは周知の事実。世界音楽巡りの旅に出たいと漏らした独り言を聞かれ、守護を失う事を恐れた村人たちに閉じ込められ、光も音も取り上げられた。
長い年月が過ぎ、ただ絶望の中にいた時久方ぶりに光を見た。
目隠しが外れた訳でも、地下深くに陽光が降り注いだ訳でもなく、頭の中に光が溢れた。

――まさかこんなとこにいるとはな。

直後全身を満たした音――久方振り過ぎて音だと認識するのに時間がかかった――に視界が開き、光に包まれて見下ろす少年のヴィジョンを見る。
たなびくマフラー、宇宙と同じ色をした不思議な服。
サングラスの奥から向けられるのは穏やかな視線。

――この星はもう終わる。来るか?

迷わずに頷いた。
音の奔流。拘束していたすべての呪縛が解き放たれていく感覚。
伸ばされた腕、伸ばした腕。引っ張り上げられて、次に見たのは星の光。
少年は眼下の星を見下ろして悲しそうに目を伏せる。
「もう、この星は終わる。それすら知らなかったんだな」
「……ああ」
無意識の内に、唇が音を紡ぎ出す。
終わり往く命へ、魂鎮のレクイエム。
意外そうな顔をした少年は、しかし音を被せてきた。重なり合うメロディ、紡がれる想い。
彼の声は不思議で、ゾクゾクと全身が総毛立つ。
やがて命が消えていく。
その様子を最後まで見守って、少年は視線をこちらに向ける。
「気付いてやれなくて、悪かった。まさか、あんな」
「いや、こうして音に触れられただけで満足だよ」
「そうか」
沈黙した惑星を見下ろす。かつて愛したもの達が暮らした星。
様々な音に溢れていた、星。
「そういや、どちらさん?お前みたいな神は知らないんだけど」
「ん?俺はMZD。この世界の創造者だ」
「は?」
信じられなかった。けれど疑念も僅か一瞬。
歌だ。
彼の歌を聴いたから分かる。
「わーお。まさか、“MZD”とはね」
「なんだよ、その目」
「いーや。サンキュー、礼言っとくわ」



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