2010/01/03 [03:09] (Sun)
【その他版権】 pop'n music
(スマイル、ミミ、ニャミ、ディオ、MZD)
「おー、スマイルにミミニャミ、何やってんだ?」
「あ、ディオ」
「お邪魔してるよー」
「スマイルがこれ持って来てくれてさー」
三人で囲んで見ていたらしき書物を持ってミミが駆け寄ってくる。
後を追ってニャミとスマイルも歩み寄ってきた。見せられたのは、少々古ぼけた分厚い本。
タイトルは「Gods of world」──世界の神々。
「あー人間界の本か。神の本だって?」
「ユーリの書庫から無断で借りてきたんだ」
「……それって盗んで来たって言わねえか?」
「返すんだから借りてきたで合ってるんだよ」
屁理屈染みた自論を返してスマイルはミミから本を受け取って表紙を開く。
暫くは様々な神々の姿が描かれていて、その後にびっしりと文字の書かれた目次があった。
精霊に分類されそうな小さな神から、果ては創世神まで書いてあるようだ。
何だってこんな本を三人でと思っていると、ニャミがあのねと顔をあげる。
「MZDの事は書いてないかなーって」
「どうもないっぽいんだよね」
「ヒッヒッ、神らしくなくて省かれたのかもね」
「そうかなあ……」
ディオは腕を伸ばして、試しに創世神について書かれているらしい最後の見出しを捲った。
神の名前はなく、ただ「創世神」と書かれているだけである。
ね? とニャミが訊ねてくるが、少し待てと制止した。
ディオは文章を読み進める。口承でのみ伝わっていたものを纏めたものであるとの前置きが書かれていた。
『彼は初め、一人だった。
何もない暗闇に、気付いた時には既に在った。
在るだけだった彼はある時、己の紡ぐ音が光を生み出すのだと知った。
闇に生まれた光は辺りを照らし、やがて空間は音で満ち溢れた。
彼はそれをとても愛した。
「これで、世界を作りたい」
光と闇、そして彼自身と彼が紡ぐ旋律。それらを合わせて彼はまず宇宙を創った。
そこからはひたすら歌い続け、今の世界の元を創りあげたという。』
まんまMZDじゃん、と言いかけて押し留めた。
此処に創世神とだけ書かれているという事は何かしらそれなりの理由があるように思われて。
その理由を、ディオは意外な形で知る事になる。
まだ残っているページをニャミがめくろうとした時、部屋のドアが開けられる音がして皆の意識がそちらを向いた。
どうやらある程度仕事にキリが付いたらしく、ラフな格好のMZDがそこにいた。
「よう、お前ら。何見てんだ?」
「MZD!」
「えっとね、これ神様が書いてある本なんだけど」
「神が見当たらなくて」
「君はどの神様?」
「どれでもないよ。俺は俺だ」
「うわー、MZDらしい回答。なあ、仕事終わったのか?」
「いや、まだだ」
MZDはディオ達の輪に加わらず、部屋の隅に置いてある小さな冷蔵庫に向かう。
成程、飲み物を取りに来たのか。
水のペットボトルを取り出したMZDは、一口二口と飲みながらディオ達の方へ来る。
ぬっと覗き込んで、意味深な笑みを浮かべた。
「な、何だよMZD」
「いや。お前はあったか? ディオ」
「俺はないよ。元々は地球の神じゃないし、俺」
「そっかー、ディオって他の星の神なんだっけ」
「あまりに馴染み過ぎて忘れてたよー」
「というか僕は君が神だって事自体忘れてた」
「ひっで!」
あっはっは!と笑いながらMZDは部屋から出ていく。
結局意味深な笑みの理由は分からなかった。
そして神の乱入で捲り損ねたページを捲り、ニャミが声を上げる。
「あれ、最後著者コメントが書いてある」
「え、ニャミちゃんどこ?」
「次のページ。ほら、ここ」
「ヒッヒッ、どうやら協力者がいたみたいだねぇ」
協力者? と皆が首をかしげてそのページを見る。著者のコメントの下部の方。
全体的に次の者の力を借りた、彼の知識の豊富さには脱帽である。と書かれていた。
そんなに神やら何やらに詳しい物好きがいたのかと見て、本を見ていた皆で固まった。
『全面協力:MZD(通りすがりの青年)』
そりゃあ、名前が記されてないわけだよな。
まさか創世神自身が手伝ってくれてるなんて、著者も夢にも思わなかっただろうよ。
とは、後日呆れた表情でディオが語った事である。
因みに、結局無断拝借がばれて、スマイルはユーリからきついお叱りを受けたとか受けないとか。
+++++++
【配布元:Abandon】
ポップンの神様に10のお題より「貴方はどの神様?」
(スマイル、ミミ、ニャミ、ディオ、MZD)
「おー、スマイルにミミニャミ、何やってんだ?」
「あ、ディオ」
「お邪魔してるよー」
「スマイルがこれ持って来てくれてさー」
三人で囲んで見ていたらしき書物を持ってミミが駆け寄ってくる。
後を追ってニャミとスマイルも歩み寄ってきた。見せられたのは、少々古ぼけた分厚い本。
タイトルは「Gods of world」──世界の神々。
「あー人間界の本か。神の本だって?」
「ユーリの書庫から無断で借りてきたんだ」
「……それって盗んで来たって言わねえか?」
「返すんだから借りてきたで合ってるんだよ」
屁理屈染みた自論を返してスマイルはミミから本を受け取って表紙を開く。
暫くは様々な神々の姿が描かれていて、その後にびっしりと文字の書かれた目次があった。
精霊に分類されそうな小さな神から、果ては創世神まで書いてあるようだ。
何だってこんな本を三人でと思っていると、ニャミがあのねと顔をあげる。
「MZDの事は書いてないかなーって」
「どうもないっぽいんだよね」
「ヒッヒッ、神らしくなくて省かれたのかもね」
「そうかなあ……」
ディオは腕を伸ばして、試しに創世神について書かれているらしい最後の見出しを捲った。
神の名前はなく、ただ「創世神」と書かれているだけである。
ね? とニャミが訊ねてくるが、少し待てと制止した。
ディオは文章を読み進める。口承でのみ伝わっていたものを纏めたものであるとの前置きが書かれていた。
『彼は初め、一人だった。
何もない暗闇に、気付いた時には既に在った。
在るだけだった彼はある時、己の紡ぐ音が光を生み出すのだと知った。
闇に生まれた光は辺りを照らし、やがて空間は音で満ち溢れた。
彼はそれをとても愛した。
「これで、世界を作りたい」
光と闇、そして彼自身と彼が紡ぐ旋律。それらを合わせて彼はまず宇宙を創った。
そこからはひたすら歌い続け、今の世界の元を創りあげたという。』
まんまMZDじゃん、と言いかけて押し留めた。
此処に創世神とだけ書かれているという事は何かしらそれなりの理由があるように思われて。
その理由を、ディオは意外な形で知る事になる。
まだ残っているページをニャミがめくろうとした時、部屋のドアが開けられる音がして皆の意識がそちらを向いた。
どうやらある程度仕事にキリが付いたらしく、ラフな格好のMZDがそこにいた。
「よう、お前ら。何見てんだ?」
「MZD!」
「えっとね、これ神様が書いてある本なんだけど」
「神が見当たらなくて」
「君はどの神様?」
「どれでもないよ。俺は俺だ」
「うわー、MZDらしい回答。なあ、仕事終わったのか?」
「いや、まだだ」
MZDはディオ達の輪に加わらず、部屋の隅に置いてある小さな冷蔵庫に向かう。
成程、飲み物を取りに来たのか。
水のペットボトルを取り出したMZDは、一口二口と飲みながらディオ達の方へ来る。
ぬっと覗き込んで、意味深な笑みを浮かべた。
「な、何だよMZD」
「いや。お前はあったか? ディオ」
「俺はないよ。元々は地球の神じゃないし、俺」
「そっかー、ディオって他の星の神なんだっけ」
「あまりに馴染み過ぎて忘れてたよー」
「というか僕は君が神だって事自体忘れてた」
「ひっで!」
あっはっは!と笑いながらMZDは部屋から出ていく。
結局意味深な笑みの理由は分からなかった。
そして神の乱入で捲り損ねたページを捲り、ニャミが声を上げる。
「あれ、最後著者コメントが書いてある」
「え、ニャミちゃんどこ?」
「次のページ。ほら、ここ」
「ヒッヒッ、どうやら協力者がいたみたいだねぇ」
協力者? と皆が首をかしげてそのページを見る。著者のコメントの下部の方。
全体的に次の者の力を借りた、彼の知識の豊富さには脱帽である。と書かれていた。
そんなに神やら何やらに詳しい物好きがいたのかと見て、本を見ていた皆で固まった。
『全面協力:MZD(通りすがりの青年)』
そりゃあ、名前が記されてないわけだよな。
まさか創世神自身が手伝ってくれてるなんて、著者も夢にも思わなかっただろうよ。
とは、後日呆れた表情でディオが語った事である。
因みに、結局無断拝借がばれて、スマイルはユーリからきついお叱りを受けたとか受けないとか。
+++++++
【配布元:Abandon】
ポップンの神様に10のお題より「貴方はどの神様?」
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