2008/02/12 [21:15] (Tue)
「あの時あれを引き止めていたなら――――何かが、変わっていたのだろうな」
儚げに佇む晶霞の呟きを、貴船の龍神だけが聞いていた。
彼女はただ、晶霞の呟きを聞くだけで何もしようとはしない。
「寂しげに微笑むあれに、私はただ、黙っていたんだ」
――私ね、救いたい人がいるの
――もう決めたの。決めたのよ
「あれに渡された花を、凌壽に渡しただけだった」
――最後くらい受け取りなさいよ、って伝えてくれる?
――じゃあね、晶霞。さよなら
自分はそれにでさえ、頷きで返しただけだったのだ。
「あの時あれを引き止めていたなら――――何かが、変わっていたのだろうな」
儚げに佇む晶霞の呟きを、貴船の龍神だけが聞いていた。
彼女はただ、晶霞の呟きを聞くだけで何もしようとはしない。
「寂しげに微笑むあれに、私はただ、黙っていたんだ」
――私ね、救いたい人がいるの
――もう決めたの。決めたのよ
「あれに渡された花を、凌壽に渡しただけだった」
――最後くらい受け取りなさいよ、って伝えてくれる?
――じゃあね、晶霞。さよなら
自分はそれにでさえ、頷きで返しただけだったのだ。
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