2008/02/20 [20:50] (Wed)
「ねえ、凌壽」
返事をするのも億劫で、腰掛けている木の上から彼女を見下ろした。
彼女は根元に寄り掛かるようにして座り込んでいる。
「――いえ、ごめんなさい。なんでもないわ」
普段快活に喋る彼女にしては珍しく、その声には迷いを抑えようとしているような戸惑いが混じっていた。
「貴方に言ったところで、どうしようもないもの」
ぽつりと零された呟きに瞠目した。
何に驚いたのか自分でも分かっていないというのに、彼女はそのまま何処かへと行ってしまった。
思えば、あれが前兆だったのかもしれない。
「ねえ、凌壽」
返事をするのも億劫で、腰掛けている木の上から彼女を見下ろした。
彼女は根元に寄り掛かるようにして座り込んでいる。
「――いえ、ごめんなさい。なんでもないわ」
普段快活に喋る彼女にしては珍しく、その声には迷いを抑えようとしているような戸惑いが混じっていた。
「貴方に言ったところで、どうしようもないもの」
ぽつりと零された呟きに瞠目した。
何に驚いたのか自分でも分かっていないというのに、彼女はそのまま何処かへと行ってしまった。
思えば、あれが前兆だったのかもしれない。
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